私が着物をこんなに好きになったのは、何故なんだろう?!@花いち都屋 五十嵐桂子

2020年12月2日
花いち都屋での普段の勤務は制服(洋服)で、着物を着るのは、催し(展示会、ランチ会、YouTubeの撮影等)時くらいですが、着物というものに、これ程、ときめくのは何故なんだろう?
幼い頃からの事を、思い出してみよう……。
 

故郷編

 記憶をたどると、やはり私が着物好きになったのは母の影響が大きいと思います。
 
 最初に、私の生まれ育った家庭のお話から……。 
 
 8人兄弟の6番目に生まれた私。兄が3人、姉が2人、弟が2人。
すぐ上(2歳違い)の姉は二卵性双生児の一人で、もう一人は産まれてすぐに亡くなったみたいなので、普段の人数を考える時には、計算に入れてもらえない存在(ゴメンネ!)
 
 父は公務員。と言っても、田舎の郵便局の配達員。夏は自転車で、冬は雪の中をスキーで、郵便物を配達していた。十勝の、日本一寒い陸別の隣の小さな所なので、配達は午前中で終り、午後からは自由時間になっていたらしい。
夏場は、親戚の畑を借りて、家族の分の作物を作ったり、近くを流れる利別川で魚釣りをして過ごす。この頃は、ヤマベやウグイやアメマスが結構釣れ、腰に下げた魚籠(びく)の中は、蕗の葉でくるまれて溢れんばかり!……、を繰り返していた。暗くなりかけてから帰宅した後も、その魚を、下処理するのも、七輪で焼き、乾燥させるのも、父が全部自分でする。
 その乾燥したヤマベやウグイやアメマスの天ぷら甘露煮、うどんの出汁は、その当時は当たり前の様に食べていた私たちだったけれど、今やマ・ボ・ロ・シ(幻)⤵
 

父が遺した魚拓
 
 冬になると休日の過ごし方は、隣町の陸別や、反対方向の足寄まで池北線のディーゼルカーに乗り、朝早くから最終列車に乗るまでのパチンコ三昧!
 とは言っても、子沢山なので、親戚の畑の草取りや、収穫。冬は雑木林の伐採。束薪(たばまき)→(薪ストーブ用の薪を、針金で作った輪に入れる作業)等をして家族を養ってくれていた。公務員とはいっても、高給取りではないから、長男を除いて兄姉達は皆、中卒で奉公や就職をしていた。父は年に数回しか着物は着ない。
 
 一方、母は、一年を通して父の畑仕事や、束薪、等を手伝い、手伝わないのは、釣りパチンコ!!お昼ご飯も食べずに、パチンコをする父に「まったく、父さんだったら!……」とあきれている。
 そんな母も上手に時間を見つけては日舞を習ったりして、盆踊りや、敬老会等では、婦人会の仲間と楽しんで踊っていた。
 畑仕事や、山の木の伐採と植林、そして冬の束薪と、男性と変わらない外仕事で、真っ黒になって疲れていても、子供達の授業参観には欠かさず、着物を着て参加する。他の兄弟達はどう感じていたのか、聞いたことはないが私は、振り返ると、後ろの父兄の中にいる着物姿の母に、ドキドキだったり、一種の優越感さえ持っていた記憶がある。
 その中でも今のように、正絹ばかりではなく、時々はウールの時もあった気がする。一番覚えているのは、黒と紫のラメ入りの縞→今、本で柄を探すと「鰹縞(かつおじま)」。(大変、斬新だったんだなぁ~!)
 

 
 思えばその頃からが、「着物姿」に対するあこがれのスタートなのかもしれない。
 
 私たちが幼い頃には、盆踊り用にふくれ織(リップル生地)の浴衣を衿先に腰紐を縫い付けて、着せてくれた事。
 田舎町なので、呉服の店がなく、ディーゼルカーに乗って、陸別まで行き、ウールであったが反物を買ってきて、寸法に合わせて縫ってくれた事。(小学5年生か6年生の頃だったと思う)赤、黄、青、紫の4色位の格子のアンサンブル。残念ながら、帯の記憶はまったく無い⤵(何故かな~~~?)
 

大人になってから編

 それから、しばらくは着物に関する記憶が抜けていて、結婚してからの事に時代が急に飛ぶのです。(変だな~?何故かな~?)
ず~っと共働きで、仕事を休んでいたのは、妊娠、出産、育児の3年未満。家にいるときに見ていたテレビで好きなのは時代劇。(テレビっ子の私です…笑)大奥、遠山の金さん、銭形平次、水戸黄門等々…。
奥方様が着ている京友禅の小紋に憧れ、文庫に結んだ帯に憧れ、平次の女房のお静さんの角出しに憧れ……。
働き出したときに買った着物一式は、下手の横好きで習っていた民謡の発表会や審査の舞台で着用。(着付けも、下手だけれど?舞台での着物姿の写真を見たら、まあまあかなぁ~?!)
着付を習っていたわけではないので、本を見ながらの自己流。理屈がわからないから、訳わかめ~~⤵
 
 今、思えば、あの時に「前結び美装流」を知っていたら、もっと楽に楽しめたのに~!と(その時はまだ前結びはなかったかな?)着物は何とか着られたが、動いているうちに長襦袢の衿が、崩れてあらららら…⤵帯を結ぶのにも仮紐を使って、ようやく…。
手の折り込みが、上手くいかない!……ホントに、ホントに疲れました。
 
前で行えるから簡単!前結びの結び方はYoutubeで公開しています。ぜひご覧くださいね。
前結びで二重太鼓~前半~北海道の着物専門店【花いち都屋】
前結びで二重太鼓~後編~北海道の着物専門店【花いち都屋】

 
 

現在編

 今は、「前結び」で楽々!
後結びの時には時々手伝ってもらっていた主人に、今は頼まなくても大丈夫!
 長襦袢の「衿ゴム」が衿の抜き加減を整えてくれる!
 長襦袢用と着物用のベルトが衿合わせを美しくしてくれる!このベルトがこれ又苦しくないので、一日着ていても楽!
 数えるときりがない位、楽なので、ぜひ、「前結びの着方教室」にいらして下さい。
 
過去の私の記事はこちら
前結び着付けで奥深い「嬉し・楽しのこの世界」着物ワールドへようこそ!@花いち都屋 五十嵐桂子
 

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