皆さま、こんにちは。
いつもブログを開いて頂きありがとうございます。札幌花いち都屋の高橋です。
夏になりましたね。札幌も通常通りのお祭りも開催されました。マスクを外されたお着物姿の方も、多くみられる様になりましたね。毎年5月末ぐらいには夏日になりますね。暑くなるのが早い!私は暑いのが苦手なのですがなぜか、お着物の種類の中では夏着物が一番好きなんです。濃い目の色合わせで白い衿をキリッと見せて、何故か涼しそうに装えます。
夏着物には素材の種類があります。絽や紗・麻(上布)絹紅梅など透けた素材を単衣に仕立てた夏仕様の着物、今日は私が大好きなお客様より、去年お譲りいただいた上布の夏着物をご紹介しますね。
以前の夏着物についての記事もごらんください。
夏着物「薄物」の装いを解説!帯・小物の基本をマスター@花いち都屋 高橋和子
上布(じょうふ)とは
夏着物に用いられる麻素材です。苧麻(ちょま)、特に上質な麻を上布と呼びます。
上布には越後上布や石川県羽咋(はくい)地方で折れる能登上布、沖縄県宮古島で織れた宮古上布があり日本三大上布とされています。
宮古上布
私が頂いた上布は宮古上布です。苧麻(ちょま)という麻の繊維で作った糸で織られる麻織物を琉球藍で染めて作ります。とても細い糸で織られる精密な絣模様と、光沢のある滑らかな風合いが特徴です。
苧麻から取れた糸は、括染め(くくりぞめ)という技法を使います。何度も琉球藍を染め重ねます。その糸を1000本以上使い、3ヶ月以上かけて織り上げます。自然に生み出される植物を使うので、当時は安定して生産できたわけではなかったそうです。さらに手間ひまをかけて作られるものだったのです。
生地が薄い故、どうしてもシワにはなりやすいのですが、通気性に優れ水にも強く吸水性が高いので、汗をかくような季節などには特に着心地よく感じられます。シワを取る為には、風通しよく直射日光をさけてハンガーにかけて霧吹きで水を掛け、あとは布自身の重みでシワが伸びてくれるそうです。
この夏は、上布の着心地を体感しますね。
越後上布
小千谷地方で作られたもので雪国の上布です。織り上がった布を積雪の上で晒して漂白し、足で湯の中でふんで湯もみをくり返し美しい織物に仕上げます。
平織のものを越後上布と言い、縮み織りになったものを小千谷縮と呼ばれています。
科布の帯
麻や紗などに合わせる素朴な八寸名古屋帯です。「シナノキ」や「オオボダイジュ」などの樹の皮から作られた帯です。「科布」とは葛布、芭蕉布と並ぶ日本三大古代布の一つで、今では新潟県の一部地域のみで生産されています。樹皮から取れる靭皮(じんぴ)の繊維をはいで、灰汁で煮て薄く裂いて出来上がった糸で、丹念に織り上げます。
通気性もよく、軽くて水濡れにも強く、使い続ける程味わいを増す帯です。素朴で野性味のあるざっくりとした生地感をいかして八寸名古屋帯や、男性の角帯や、草履やバッグなど盛夏の時に最適とされています。
涼しさを演出しましょう
暑さが増す7月~8月は少しでも涼感を表現出来る様に小物使いに水辺や流水、金魚やトンボなどをモチーフにした半衿などポイント使いされますと、一層夏らしさを感じさせられます。
室内はクーラーで調節されていますが、胸元に扇子を忍ばせて、外を歩かれるときは日傘をさして……。2年前のブログの投稿にも書かせて頂きましたが、道を歩いてますと「ステキですね!」と、声がかかるのが夏着物姿です。暑いなか露出もなく肌を包んでいるのですがなぜかエレガントな涼感を目に保つ様です。
夏用草履 下駄でも
フォーマルな絽などの訪問着などでなく、カジュアルな麻糸の着物、小千谷縮、明石縮、綿素材のお着物に足袋を履いて、下駄をはいてもいいと思います。下駄は浴衣のときだけではなく着物のときでも軽やかでおしゃれです。
鼻緒の色柄も様々にあります。着物や帯の色に合わせて探されるのも楽しいですね。夏用のパナマ素材の草履、畳表の物なども。
夏は洗える長襦袢
単衣の時期から、夏着物の季節には白の絽・紗・麻の長襦袢はフォーマルからカジュアルまで対応出来ます。夏は必要以上に汗をかきますので、下着と同じ様に自宅で洗えることが望ましいです。
麻素材の長襦袢はネットに入れて洗濯できます。生乾きのときにアイロンを掛けて仕上げられます。夏なので乾きも早いので、毎日でもお手入れ出来てたすかります。
嬉しい恥ずかしHANA緒style撮影会
花いち都屋では2021年頃からお求め頂いたお気に入りのお着物での撮影会をさせて頂いております。たくさんのお客様に体験して頂き、とても喜んで下さってる撮影会です。ヘアーセットも着付けもプロの方が仕上げて下さいます。私のお客様も何人か様が御参加されております。
その方は何年も病気をなさっていて、お店の方にもそんなにはいらしてくださる方ではないのですが、ご自分からお電話をくださって撮影を申し込まれました。
当日いらしてくださって、ヘアセットから私は時々様子を見ておりました。まぁ~見違える様にキレイなアップ。そして、着物を着せて頂いている時あんなに姿勢が悪かったのに背筋がピーンとなって、そこには見違える程着姿のとてもキレイな御婦人になっておりました。
あまり笑顔を向ける方ではないのですが、これで遺影が撮れたわ、なんて照れ隠しを言っておりましたが、撮影中の体調も変わりなく終了して、やっぱり着物いいね!と嬉しそうな笑顔になっておりました。
夏着物は薄いので袷や単衣よりキレイに着る事が少し難しいことがあります。ですが、花いち都屋の前結び着付教室では、夏着物をより美しく着たい方に、よりキレイに着るためのコツやアドバイスをさせていただいております。
着物を着てキレイに美しくなってみませんか?ぜひ、ご興味がありましたらこちらからお問合せ下さいね。
私の以前の記事はこちらからご覧ください。
帯の種類とその格 小物の使い分け お客様の着付教室への再チャレンジ@花いち都屋 高橋和子
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