お気に入りの振袖にシワがついてしまったり、カビが生えてしまったりするとショックですよね。
そういった事態にならないためには、正しい保管方法やお手入れについての知識が必要です。
この記事では、振袖を着用した後のお手入れ方法や、おすすめの保管場所と使用したい便利アイテムなどを詳しく紹介します。
正しい保管方法や、定期的にするお手入れが分かると、大切な着物を長持ちさせることができます。
振袖のたたみ方についても写真付きで分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
振袖は保管する前のお手入れが大切
①着物用ハンガーにかけて陰干しする
振袖にとって湿気は大敵です。
購入した時の紙箱に入れたまま放置していたり、湿気の多い場所に置いているとカビが生えてしまうことも。
カビが生えてしまうと、完全にカビを死滅させないとまた発生する恐れがあるので、プロにお任せする必要があります。
そういった事態を防ぐために、着用後は着物用ハンガーにかけて日光が直接当たらない場所で陰干ししましょう。
着物用ブラシでホコリを取り、風通しの良い場所で半日〜1日ほど干してしっかりと湿気を飛ばします。
②シミ・汚れ・破れがないか確認
一番汚れがつきやすいのは、衿、袂(たもと)。
振袖に汚れがついてしまった時には専門店への持ち込み、和服専用のクリーニングの利用がおすすめです。
自分でシミ抜きをしようとして、「逆に汚れが広がった」「こすった後、毛羽立ってしまった」ということも起こりかねません。
丸洗いなどはもっての外で、一気に縮んでしまうことになってしまいます。
必ず、専門店にお願いしましょう。
その際は” 破れ ” の点検もしておきましょう。
特に着付けの時、脇の部分をしまい込む際、着付け師さんによっては結構引っ張るため脇が破けてしまう場合があります。( 注：綺麗に着つけるためには仕方がないこと )
クリーニングに出す際には必ず脇が破れていないかもチェックしておきましょう。
③クリーニングに出す
シミや汚れがなく、きれいな状態であっても1年以上着用する予定がない場合はクリーニングへ出すことをおすすめします。
大事な振袖をクリーニングへ出す際は、きちんと着物の知識がある業者を選びましょう。
振袖のクリーニングについてはこちらの記事でも詳しく説明しています。
振袖の保管方法は？
クリーニングが済んだらタンスや衣裳ケースへ収納しましょう。
納品時の紙製の化粧箱は湿気を集めやすいため長期保管には向いていません。
振袖、帯、長襦袢はそれぞれ畳紙（たとうし）に入った状態で戻ってきます。
着物や長襦袢の畳んである中に薄い紙は取り除いてください。
紙を入れることでパリッとするため保管もしやすいのですが、湿気を呼んでしまう原因になってしまいます。振袖(着物)の一番の大敵は湿気ですので、少しでも原因になり得るものは除去しておくことが大切です。
帯締めや帯揚げなどの小物類は、できれば振袖とは別にして、引き出しや小物入れに保管しておくと良いでしょう。
草履は湿気を拭き、汚れを落として、鼻緒の形を整えてしまっておきます。
写真：こんな可愛い草履キーパーもあります！
半年ごと、少なくとも一年に1回～2回、天気の良い湿度の低い日に虫干しをすることが理想的です。
ハンガーにかけるといいですね！
もし虫干しが難しい場合には、タンス、たとう紙から出して風を通したり、引き出しを開けるなどして、湿気をとばすだけでも全然違います。
上：着物と帯がかけれるタイプ
下：一般的な着物ハンガー、両端が伸びます。
保管時にはたいてい乾燥剤、防虫剤などを入れると思いますが、交換時期をしっかり把握して取り換え忘れのないよう気をつけましょう。
湿気が少なく直射日光が当たらない場所に保管する
振袖の大敵は「湿気」です。
特に気をつけたいのが「カビ」で、一度カビに汚染されると臭いはどうすることもできません。
そうならないためにも、風通しが良く、直射日光が当たらない部屋で保管することが大切です。
クローゼットの上の棚やタンスの上だとより安心です。
振袖を収納するのに最も適しているのは昔から桐のタンスと言われていますが、今は桐のタンスがないご家庭も多いので、桐の衣装ケースなどがおすすめです。
キャスター付きのものは移動もしやすく便利です！
桐のタンスに入れたからと言って安心しきってはいけません。
桐タンスや衣装ケース類を壁にピッタリと付けるのはNGです！空気がこもりやすく、この部分からカビが発生することがあるからです。
壁とタンスの間は10センチくらいは離して空気が循環できるように設置しましょう。
納品時の紙製の化粧箱は、湿気を集めてしまうので保管には向いていません。
洋服等の収納にも使えるプラスチック製の衣装ケースも、中に湿気がこもりやすく、振袖等の着物に「カビ」が発生しやすいため収納にはあまり向いていません。
帯締め、帯揚げなどの小物は振袖と別にして、引き出しや小物入れで保管するのがおすすめです。
着物専用保管袋・保存袋を使う
「桐のタンスが良いことは分かってはいるけど、もう少しお金をかけずに振袖を収納したい…」という場合は、着物専用の保管袋・保存袋（きもの収納パック）を使うのが便利！
価格も1枚500円〜1000円とリーズナブルで、防虫・防カビなど機能がついたものでも2000円〜3000円ほどです。
素材は不織布で作られていることが多く、とても軽いため持ち運びしやすいのもメリット。
振袖をホコリなどから守り、プラスチックケースなどに比べると通気性も高いので、湿気もたまりにくいです。
振袖の枚数が少ない方にはおすすめのアイテムです。ネットショップなどで気軽に購入することができます。
乾燥剤と防虫剤を入れる
振袖を保管する際には、乾燥剤と防虫剤を入れることをおすすめします。
最近の振袖、着物の多くはシミや汚れ、カビの予防、撥水の効果があるガード加工が施されていますが、乾燥剤や防虫剤を入れての保管がより安心です。
乾燥剤と防虫剤の種類によっては、相性が悪いものもありますので使用前に必ず説明書をよく読んでから使用しましょう。
また、洋服用の防虫剤は振袖に触れると変色する恐れがあるため、着物専用の防虫剤を使うのがおすすめです。
定期的に虫干しする
振袖を長期間タンスなどに入れっぱなしにしておくと、カビなどの発生の恐れがあるので、定期的に虫干ししましょう。
虫干しの方法は、着物を広げて着物専用のハンガーにかけ、着物を優しくブラッシングしてチリやホコリをはらいます。
そのあと、室内で直射日光のあたらない風通しの良い場所に干し、窓を開けて風を通しましょう。
虫干しのタイミングは年に3回が目安
一般的には年に3回が理想的とされていて、主に8月、11月、2月がおすすめ月と良く言われますが、大事なのは月ではなくて干す日の前後の日が如何に天気が良く、湿度が低いかが重要です。
干している日だけカラッとしていても湿気を取り込んでカビの原因になってしまうので注意しましょう。
虫干しの注意点は？
一番気をつけたいことは、直射日光は絶対にあててはいけないこと。
干したまま何日も放置しないこと。直接日光にあたっていなくても紫外線で焼けて(変色して)しまう可能性があるからです。
文章にすると「なんか大変そう…」と感じてしまうかもしれませんが、いざやってみるとそんなに難しいものではありません 。
何事も楽しみながらやっていきましょう！
写真で解説！振袖・長襦袢・帯のたたみ方
クリーニング後の振袖は綺麗にたたんで戻ってくるのでそのまま保管すれば良いのですが、ご家庭での虫干しの後や着用後のたたみ方は悩みの種ですよね。
そこで、振袖、長襦袢、帯のたたみ方を分かりやすく紹介していきます！
振袖のたたみ方
長襦袢のたたみ方
帯のたたみ方
振袖の保管には花いち都屋の「花たんす」がおすすめ！
着物の保管場所の確保が難しかったり、定期的な虫干しなどのお手入れをする時間がないといった方には、花いち都屋の「花たんす」がおすすめです。
着用した着物を丸洗いし、無酸素状態で保管。再度着用するときにお届けするシステムです。
詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
振袖の保管方法について解説しましたが、いかがだったでしょうか？
振袖は保管する前のお手入れが重要なので、着用した後は早めにシミや汚れがないかチェックしておくことをおすすめします。
自宅で保管する場合は、着物用ハンガーや着物用保管袋、防虫剤と乾燥剤を用意しておきましょう。
年に2〜3回は定期的に虫干しして湿気を取り除き、シミやカビ、虫食いなどのトラブルが起きていないか確認しましょう。
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