今年の夏はゆかたでお出掛けしましょう!!@花いち都屋着付教室講師 中田夕起子

2023年5月15日

 こんにちは!花いち都屋の中田です。5回目の投稿になります、よろしくお願い致します。
 5月に入り狸小路もにぎわいを見せ、海外からの観光客も沢山楽しまれている様です。1Fでのゆかた販売も始まり、日本の方はもちろんですが、海外の方もかなり興味がある様です。今回は「ゆかた」についてお話しさせて頂こうと思っています。

 

大人の浴衣コーディネート解説はこちら
ゆかた祭りに何を着ていく?「シーン別コーディネート」~北海道の着物専門店【花いち都屋】

 

 

夏の風物詩とも言える浴衣

 

 夏祭りや花火大会などの機会に着られる方はとても多いですよね。浴衣は手軽でおしゃれを楽しめる和服で年代問わず多くの人に人気があります。観光客の方も自分で着てみたい、プレゼントにしたいなど、浴衣の存在も認識されてきました。

 

 

起源、由来は平安時代

 

 浴衣は作られたのは平安時代、当時浴衣は貴族がお風呂に入る時に着る着物として使われていたそうです。その当時の名称は「湯帷子(ゆかたびら)」。「ゆかたびら」の「ゆかた」を取った事が語源となったと考えられています。

 

 

最初はお風呂に入る時の着物だった!!

 

 現代ではお風呂には裸で入るのが普通ですが、「お風呂に入る時に着るもの」全然ピンとこないですよね。当時お風呂に入ることは湯船につかる事ではなく、蒸気を浴びる蒸し風呂の事を指していました。今でいうサウナですね。当時のお風呂での浴衣は、裸を隠すための用途と火傷防止、汗取りで着られていました。

 

 その後時代が変わり安土桃山時代になると、浴衣はお風呂上りや寝巻として着られる様になりました。当初は麻素材でしたが木綿素材が多くなり、汗を吸い取りやすく風通しの良い事から湯上りに着るものとして変化していきました。

 

江戸時代に入ると下着として使われていた浴衣が中期になると街着に変わっていきます。こうした流れによって、次第に浴衣は外出着に変化し、現代では完全に外出着と認識されるようになりました。貴族が着る浴衣でしたが、江戸時代後期からは庶民にも広がり、そのきっかけは風呂屋の普及でした。お風呂上りに着られ外に出られる手軽さが人気を集め庶民の間でも浴衣を着る人が増えました。

 

歌麿の描いた、両国の夏の様子

 

 

天保の改革

 

 制限によって贅沢品は禁止をされてしまい絹織物などの和服が着られなくなった事により、安価であった木綿製の浴衣がより広まったと言われています。

 

 それからはより外出着として普及し、現代のように盆踊りや花見で浴衣を着る事が流行ったそうです。明治時代からは、夏に着る外出着としてのイメージが定着していき木綿素材の吸水性、風通しの良さは日本の暑い夏にぴったりの着衣でありました。また明治時代からは着物の作り方も少し変わり大量生産できるようになったことでより庶民の需要が増えていきます。それまで白地の木綿を染め抜く「手染め」で作られていましたが、「注染(ちゅうせん)」というより手軽な作り方が発明されました。

 

 

注染(ちゅうせん)そめとは

 

 染色技法としては日本独自の物で、多彩な染色をする事ができ、手順としては、まず生地に型紙をのせて染めない部分にヘラで糊を塗りつけ、そして糊を塗った生地を注染台という台の上に載せ、注ぎ口の細いやかんのような道具で生地の上から染料を注ぎ下に抜いて染めていきます。こうした方法で染める事で

 

1. 生地の表裏同じ色に染められる
2. 染料のにじみや混合によるぼかしを活かして多彩に染色できる
3. 同じ型紙で多色に染められる

 

というのが注染そめの特色が現れます。
 浴衣の染で有名な竺仙(ちくせん)や三勝(さんかつ)が主な染め屋さんで浴衣はもちろん、てぬぐい、半巾帯など幅広い商品があります。

 

 

 ぜひ今年は浴衣でお出掛けしてみませんか?花いち都屋では、毎月ランチ会を開催しており、5月28日ロイトンには中華、6月17日(土)にはセンチュリーロイヤルホテルでは和食、7月22日(土)はビアガーデン、8月5日(土)はゆかた祭りを開催いたします。ぜひご参加下さいません。お会い出来ます日を心よりお待ち申し上げます。最後までお読みいただきありがとうございます!!

 

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