10月からは単衣?袷?着物と衣替えの今昔@花いち都屋着付教室講師 中田夕起子

2023年9月18日

こんにちは!花いち都屋の中田です。7回目の投稿になります、よろしくお願い致します。
今年は暑かったー!!みなさん夏バテなどされませんでしたか?本当にエアコンなど必要と思ってしまった今年でしたね。来年に向けて何か対策しなければと思う私です。来年以降も暑い夏が続くと言われているそうで…お店はとても涼しいので、ぜひ会いに来て下さいね。心よりお待ち申し上げます!

 

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衣替えの時期は?

9月に入り単衣の時期ですが10月も間近となり、袷の着物について衣更えの文化についてもご紹介させて頂きます。

 

平安時代に中国から貴族社会へ伝わったとされる衣替えの文化。四季という季節の移ろいがある日本は、次第に日本独自のタイミングで衣替えを行うようになり、着物の衣替えも細かく時期が決められています。秋も深まって肌寒くなる頃に冬の着物である袷に衣替えするのですが、その時期は「いつからいつまで」と明確に決められています。

 

時代が巡り、自然や環境も変化しつつあります。衣替えの決まりでは「袷は10月1日~5月31日」までの主に寒い時期に着るものとされています。しかし、二枚の生地を合わせて作る袷の着物を10月1日から必ず着ないといけないという決まりは、温暖化が進む時代では難しい事です。そのため現代では自分の体調やその日の気温などで独自の判断で、袷を着ていくか単衣をきていくかを決める傾向にあります。

 

 

衣替えはいつから始まった?

しかし着物初心者が「独自の判断」と言われても…周りの視線や意見が気になる所でもありますね。このような不安は知識がないからおこることなので、衣替えの歴史や成り立ちを学び知識を付けることで解消されますのでご参考にされてはと思います。

 

かつて中国の宮廷で、旧暦の4月1日と10月1日に年2回行われていた衣替えのの時期が日本に伝わり衣替えが始まったとされています。
日本に伝わった平安時代の、貴族社会だけの習慣で年2回の衣替えでしたが、江戸時代では武家も衣替えするようになり現代のように年に4かいの衣替えになりました。江戸時代の頃はそれぞれ細かく決められていました。

 

【江戸時代】

● 4月1日~5月4日:裏地の付いた袷の着物
● 5月5日~8月31日:帷子(かたびら)という裏地なしの単衣仕立ての着物
● 9月1日~3月3日:綿入れ(表布と裏布の間に綿を入れた)着物

 

【現代】
● 6月1日~6月30日:単衣の着物
● 7月1日~8月31日:盛夏用の薄物の着物
● 9月1日~9月30日:単衣の着物
● 10月1日~5月31日:袷の着物

 

 

衣替えに起こった変化

江戸時代の衣替えの決まりから現代の決まりになったのは、明治維新で新暦が採用されてからのことです。洋服の文化も浸透してきた明治時代に、夏服は6月1日~9月30日、冬服は10月1日~5月31日を衣替えの時期と決められ、現在もこの日をめどに行われていますね。洋服の文化に押されながらも和服も四季の季節や温度に合わせて、着物の素材や仕立て方も変わっていき衣替えの時期も徐々に現代のように変化していきました。

 

時代の流れと共に衣替えの時期のとらえ方は変わっていきましたが、時代背景や様々な意見を元に作り上げた自分の考え方次第でいくらでも着物の楽しみの幅も広がりますので難しく考えず、臨機応変に衣替えをできると良いですね。

 

やっと暑い夏が過ぎお着物を心地よく着れるシーズン、雪が降るこの季節みなさまと楽しくお着物を着られる素敵な機会を沢山増やしていきますのでランチ会、カルチャー教室、前結び教室ぜひご参加下さいませ。
みなさまにお会い出来ます日を楽しみにしております。最後までお読み頂きありがとうございます!

 

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