2024年10月21日

秋から冬にかけての季節は、気温の変化が大きく、装いに工夫が必要な時期です。特に和装を楽しむ方にとって、袷(あわせ)の着物をどう着こなすかが重要なテーマです。袷の着物とは、裏地がついている着物のことで、主に10月から翌年の5月頃まで着用するものです。

このブログでは、秋から冬にかけての袷の着物を着る際のポイントを、季節ごとの特徴、着こなしのコツ、アクセサリーや防寒対策などの視点から詳しくご紹介します。

季節ごとの特徴と着物の選び方

秋から冬にかけては、気温が徐々に下がり、日によって寒暖差が大きくなります。袷の着物は、このような時期に最適な防寒効果を持つため、季節に応じて素材や柄を選ぶことが重要です。

秋(10月~11月)

秋は、残暑が続く日もありますが、徐々に涼しさを感じ始める季節です。この時期の着物選びのポイントは、まだ重たすぎない生地を選びつつ、色や柄で季節感を表現することです。

例えば、小紋や訪問着などの着物に、秋らしい深みのある色合い(栗色、紅葉の赤や橙、こげ茶など)や、紅葉やすすき、菊などの秋のモチーフが描かれたものを選ぶと、季節感が引き立ちます。

また、10月に行われるお茶会や結婚式など、フォーマルな場での着用にも適した着物が求められることが多いです。この時期は、色留袖や訪問着といった格式のある着物も活躍します。柄が多いものは控え、シンプルなデザインで上品さを演出するとよいでしょう。

冬(12月~2月)

12月に入ると本格的な冬の寒さが訪れます。

この時期は、着物の素材選びが重要になります。防寒効果の高いウールや絹などの厚手の生地が適しています。色合いは、濃い色や深い青、紫、黒を基調にしたものが冬らしく、シックで落ち着いた雰囲気を醸し出します。

袷の着物を着る際のコーディネートのコツ

袷の着物を季節感に合わせて美しく着こなすためには、着物自体だけでなく、合わせる帯や小物にも配慮が必要です。

帯の選び方

  • 名古屋帯: カジュアルな着物に合わせやすいです。
  • 袋帯: フォーマルな着物に合わせるのが一般的です。
  • 帯締め・帯揚げ: 着物や帯の色に合わせてコーディネートしましょう。

小物選び

帯揚げや帯締めなどの小物も、季節感を出す重要なアイテムです。秋には、橙や深緑、金茶などの落ち着いた色合いの小物を使い、冬には白や淡いグレー、銀などの冷たい季節を感じさせる色味を取り入れると、季節感が強調されます。

また、寒さが増す冬には、ショール羽織コートなどの防寒アイテムを取り入れることも大切です。これらのアイテムは、単に暖かさを保つだけでなく、コーディネートの一部として美しくまとまるように選ぶことがポイントです。例えば、柔らかいウールのショールや、シルクの羽織を選べば、着物との質感のバランスが取れ、洗練された印象を与えます。

防寒対策とレイヤリングの工夫

冬の和装は防寒対策が重要ですが、着物自体が重くなりすぎないように工夫することが必要です。袷の着物は裏地がついているため、比較的暖かいですが、寒さが厳しくなる冬には、重ね着や工夫したインナーが効果的です。

足元の防寒対策

足元も冷えやすいため、足袋(たび)の選び方に注意しましょう。

通常の足袋に加えて、裏地がフリースや起毛素材になっている冬用の足袋を使うと快適です。また、着物に合わせた草履を選ぶ際には、底が厚めで滑りにくいものを選ぶと、寒い日でも安全かつ快適に過ごすことができます。北海道は雪が多いので防寒草履を履くのがいいでしょう。

まとめ

秋から冬にかけての袷の着物は、季節の変化を感じながら、暖かさと美しさを兼ね備えた装いを楽しむことができます。

季節感を大切にしつつ、着物の色や素材、柄を選び、帯や小物を工夫することで、より洗練されたコーディネートが完成します。また、防寒対策をしっかりと行うことで、寒い日でも快適に過ごすことができるでしょう。

これからの季節、ぜひ袷の着物で日本の四季を感じながら、美しい和のスタイルを楽しんでください。

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