元旦に、「明けまして、おめでとうございます」と年神様をお迎えしてから早くも、45日が過ぎました。
 今回が、3回目の投稿です。何を書こうかしら?と悩みましたが、今回は「どうやったら着物のコーディネート力を高められるか」について書きたいと思います。
 
 お客様との会話では、「着物のコーディネートは楽しいけど難しくて」といったことが良く上がります。私もかつてはそうでした。けれど、なぜ今こうしてコーディネートをご提案する立場になったかというと、やはり私が着物を好きになる道に一石を投じた女性たちとのご縁、影響を受けた着物雑誌や浮世絵の美人画の存在が大きいと思いました。

 そこで、今に至るまでの、いろいろを思い出しながらの旅物語をご紹介します。現在・過去・未来が行ったり来たりのになると思います。

 都屋販売スタッフ五十嵐が着物好きになったきっかけについては前回の記事をご覧くださいね。
私が着物をこんなに好きになったのは、何故なんだろう?!@花いち都屋 五十嵐桂子

 

身近にいた憧れの存在

 幼い頃からのの着物姿が、着物好きになる出発点であった事は言うまでもないが、ときめき憧れを感じていた他の人の存在も大きいのです。
 私達兄姉が何人も、公私共々、お世話になっていた母方の従姉妹がその代表と言える。その人は、現在九十歳を超えていて、家族の反対により、渋々、自動車の運転免許を返納したという位、活動的な人で、従姉妹であるが年の差があるので私は、若い頃から「叔母さん」と呼び、慕っていた。
 自動車の整備工場の役員であり、経理から、総務から、あれやら、これやらで、社員の人生相談までやりながら、日舞から民謡から、あれこれと走りまわっているパワフルな人なのです。その人には妹が二人いて、3人で日舞を習い、華やかな五條流の舞台での舞も、見せてもらいました。
 この3人の着物姿に出会うのが楽しみでしたね~!
 知り合いに、京都へ、直接反物を仕入れに行くという人がいるらしく、好みの色柄を破価値で手に入れるらしかった……(羨まし~!!)
踊りのおけいこに着る事が多いので、小紋が多かった記憶がある。
 たまに、紬を着ていても、結城紬ではなく、大島紬だった。
 3人共に、小柄で、お太鼓の大きさが、本当に程良く、小紋の柄の大きさも小振りである。
 
 今は高齢になり、往時の着物姿は見られないが「私の着物好き」に一石を投じてくれた従姉妹達である。
 
 その他に影響を受けた人は?というと、某デパートの小物売場にいた○○さん。
 この人は、いつも着物姿で、「夜会巻き」を、自分で結い上げ、売り場の中の和装小物ブランドの専属で、度々、帯締めや帯揚げを見に行く私の顔を覚えてくれて、「この品物が良いよ!」と教えてくれる。そんな間柄でしたが、まさか、私が、そのデパートの呉服部に配属されるとは…。
 “事実は小説より奇なり”と言われますが、まさに、まさに…………!
 入社してからは、向かいの売場でしたから、昼食を一緒にし、仕事の事や、人生の事など、いろいろと教えて頂きました。
 この人の着付は一分のスキもなく、帯締め・帯揚げの合わせ方、特に半衿のコーディネイトが見事でした!
 お元気でいるかしら?
 
花いち都屋では、「花いっちゃんねる」でコーディネイトの動画を配信中です。是非参考にされてくださいね。
同窓会には素敵な着物で≪シーン別コーディネイト≫~北海道の着物専門店【花いち都屋】

 
 人では、個人的にはあとは、浮かんでこないけれど、春夏秋冬に発行になる、「美しいキモノ」を続けて見ていて、呉服業界に就き、実物を見て、手にして、少しづつではあるが、織りや、色・柄がわかってきた…………つもり!
 

美人画でみる着物の着付と、柄の魅力

 「花いち都屋」で仕事をしていて、お客様とのコミュニケーションを取る手立ての一環としての「かわら版」の表紙の担当になった際に、いろいろな資料を探している時、「浮世絵」や、着物姿を描く、画家として、「上村松園」や「伊藤深水」の本を購入し、見た事が挙げられるかしら?
 「浮世絵」は、時代的にも使っている色は限られている気がします。
 浮世の絵を、版画で、あれ程の作品が出来るのは、本当にすごく、かの有名なゴッホが広重の浮世絵版画を自ら購入していた程なんですね!
 
 西洋の立体的な絵と比較すると、日本の版画や日本画は、平面ですが、私は、着物の帯や、半衿ばかりを見ていました。
 

菱川師宣(ひしかわもろのぶ)の切手にもなった「見返り美人図」
 小振袖で帯は、兵児帯の様に柔らかい素材らしく、後ろで文庫風に結んでいる。
 

懐月堂安度(かいげつどうあんど)「立美人図」
小振袖で、ぼかしに七宝と花。遊女を描いたらしく、茶色の兵児帯を前で蝶結びにしている。
 

西川祐信(にしかわすけのぶ)「柱時計と美人」
 白地の小袖に絞りの松皮菱の柄が大きく、菊の花を配し、帯も兵児帯を前で結んでいるのは遊女だろうか。赤い重ね衿も、している。
いずれも遊女なのでゆら~りとした、胸元は、殿方向きなのか……———。
 現在の美装流の様に、きちんと衿にしたならば、「浮世絵」ではなく、「ただの美人画」になるのかしら?
 「七宝」も「松皮菱」も今だに伝わっている柄で、昔の人達の想像力の逞しさは本当に驚きの念を隠せません。
 
 こんな風に、私が着物にどんどんのめり込んだ過程には、身近な着物姿の女性の存在があり、着こなしの参考にした雑誌や浮世絵がありました。
 その「おしゃれ」にワクワクしながら夢中で見て、少しずつ少しずつ私のなかにインプットされていったこと。それが今の私の「着物のコーディネート力」の源になっていることは間違いありません。

 もっと着物の着こなしセンスを高めたいと思う方は、とにかくすてきな着こなしの方をじっくり観察したり、雑誌でもスマホでもたくさんの情報収集をしてみてください。浮世絵は時代を越えた美しさと魅力があり、個人的にとてもおすすめです。そして、毎週着物の着こなしなどを配信している都屋のYoutube動画もぜひご参考下さいね!
 
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着物の世界が広がる!五十嵐による商品のご紹介~北海道の着物専門店【花いち都屋】

 
私の過去の記事はこちらです。
着物好きのきっかけから、私が思う着物の魅力までたっぷり書いてありますので、読んてみて下さいね。
私が着物をこんなに好きになったのは、何故なんだろう?!@花いち都屋 五十嵐桂子
前結び着付けで奥深い「嬉し・楽しのこの世界」着物ワールドへようこそ!@花いち都屋 五十嵐桂子