「花いち都屋」着方教室講師 森美由紀です。
6月=水無月。水の無い月と書きますが、「無」は「の」を意味する連体助詞の「な」であるため、水無月は「水の月」となる。陰暦6月は田んぼに水を引く月であったため「水の月」=「水無月」と言われるようになったと考えられる。…らしいです。「水の月」……だから蒸し暑いのでしょうか?私の住む北海道の初夏~は、カラリとさわやかな空気が人気で訪れる人も多い観光地ではありますがここ近年、まるで梅雨(?)と思えるほど湿度の高い時季があります。やはり、温暖化のせいでしょうか…。暑さは不快ですが汗ばむ季節もさわやかに着物姿でお出掛けしたいですよね。
 

生徒さんに聞いてみると…

 春に教室終了した生徒さん、夏もきもの楽しみましょうね(^-^)と言うと、
「夏は着物きません」と言うのです。
「えー、どうして?」
暑いから、浴衣でいいです。

「それに夏の着物って…、良くわからないので…」と。
確かに、着物好きの方の中にも夏は暑いから着物は着ない…という声を聞いたりします。まあ、浴衣でもいいんですよ。だけど、せっかくお着物着られるのだから…夏着物、ちょっと小粋に着てみませんか?日傘などさして。夏の着物、色々調べれば奥が深すぎる!止まらなくなりますが…(笑)今回は初心者さんにわかりやすく夏の着物について書きたいと思います。

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夏着物の素材

 素材は単純に

  • 動物繊維(絹・ウールなど)
  • 植物繊維(綿・麻など)
  • 化学繊維(ポリエステルなど)

もっともっと種類はわけられますが…。
 

夏着物の織

 織は夏着物というところで言えば、「羅(ら)」「絽(ろ)」「紗(しゃ)」「上布(じょうふ)」「縮(ちぢみ)」など通気の良い織の組織になっていて、素材に合った織を工夫して様々なタイプの夏着物があります。


↑「羅(ら)」


↑「絽(ろ)」


↑「紋紗(もんしゃ)」


↑「小千谷縮」

織の組織の事を説明すると膨大なページ数になってしまうので、はしょりますね。実際に目にするのが一番わかりやすいです。是非、花いち都屋へ遊びにいらして下さい(^-^)見て触れながらのご説明ができます(笑)
 

自分で洗える麻や透け感を楽しむ絽や紗

 夏に一番向いているのは麻素材かな~と思います(主観です)。小千谷縮はシボのあるサラリとした風合いが人気でハリの生地質が織の組織の間を風が通り涼しいのです!麻織物で超高級な越後上布もありますが、綿と麻の混合で、自分で洗えるものもありますし、襦袢を着て着物風・襦袢無しで浴衣風と2通り楽しんでみてはいかがでしょうか?
 絹で出来ている絽は吸湿性・通気性にすぐれていますし、肌触りがとても滑らかでやわらかです。紗はとても透け感があり軽いので盛夏に向いています。とても透けるのでちょっと恥ずかしいです(笑)ですが、私は逆にその透け透けを楽しんでいます。

透け透けの黒の紗に色付柄物の長襦袢を着て、長襦袢みてくださぁ~いみたいなコーディネート。楽しいでしょ(笑)
 汗ばんだ首にへばり付く半衿も時には不快に感じる時もありますが、麻素材の半襟ですと肌へのへばりつきもありませんし快適です。

襦袢お仕立ての一工夫ですが、手首に襦袢がくっついて着物から見えたりしたことはありませんか?夏の襦袢はいつもの襦袢の袖巾寸法よりも2分~3分袖巾をせまくしてお仕立てするのも工夫の一つだと思います。
 夏の着物は織に工夫がされていますので体験してみて下さい♪
 
Youtubeで紹介もしていますので、見てみて下さいね~!
小千谷縮、浴衣、紋紗…夏着物のご紹介~北海道の着物専門店【花いち都屋】

 

着用のルールを難しく考えないでネ

 夏着物(薄物)とは言っても温暖化の近年、春なのに真夏のような暑さ…(汗)残暑もなかなかの厳しさです(汗)着物カレンダーにとらわれ過ぎずに体感に合わせて着物を楽しみたいものです。
 春の暑い日は薄物の襦袢に透け感の少ない紗紬など。秋の暑い日は、色の濃い目の襦袢に同系色の透け感の少ない薄物など。(主観です(笑))体感は真夏なのに…実際気温も夏日の春。着物カレンダーを守り袷を着て、着物も汗でビチョビチョ、暑い思いをして体調崩し夏の着物はもうヤダ!!なんて…残念過ぎます。着物カレンダーを無視するわけではなく、理解した上で柔軟に考え夏の着物楽しんでほしいと思います。
 

周りの人のためにも…(?)

 年齢も半世紀をとっくに過ぎた私ですが…(汗)
 暑いからと言って露出度の高い半袖や衿ぐり大きな服を着たりもしますが…露出されている肌は残念な肌です(涙)若者のようなピチピチと張りのある肌とは大違い。年齢を重ねた残念な肌。そこで着物!!衣紋はしっかり抜いて粋に!(肌の露出はありますが…)髪もアップにして、お顔も少し引きあがりますね(笑)そして、腕を隠してくれます(笑)暑いのに長袖を着てる風な感じはありますが、素材と織りに工夫がされていますから、着てみると意外と涼しいのです。そして、なぜか、不思議…。
 暑い~暑い~と団扇をあおいでても、ふっと着物姿の人を見ると(日傘さしてたらもっと最高)涼しげな気持ちになりますよね。不・思・議~。魔法のようです。(実際は暑くても…)
 是非、夏着物を着てお散歩やショッピング。周りの人の為にも、着物姿で涼しい魔法かけてあげてください。
 夏着物のご相談や夏着物の着方の工夫は花いち都屋へ(^-^)
 
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