着物のお仕立て…直線裁ちの直線縫い

 ただ針仕事が好き、ただ着物が好き。ただそれだけです。
 洋裁は小学校でミシンがけを習い、中学校の家庭科の授業ではスカートとか作りましたよね。高校になると選択授業になり浴衣を縫ったのを覚えています。
 その頃は、洋裁の方が楽しかったな~。
 高校生の頃、祖母の仕立てた訪問着を母が着て出掛けたことがあり、何気なく着物を見ていたら柄合わせがピッタリ合っていることに驚愕!
 えー!!一枚の絵のように縫い合わさっている!次の瞬間、やりたい!やるしかない!
 このことをきっかけに和裁専門学校に通いましたが、縫ってみたかった訪問着の柄合わせは…とんでもなく先の先のカリキュラムでした。運針から始まり肌襦袢、お腰、モスリンの襦袢、正絹の襦袢…いつになったら着物縫えるんだろう…。巻棒に巻かれた10m以上の生地をアイロン、裁断は耳~耳までの直線を何本かハサミ入れる…カーブは小衿のところだけ。
 

 
 標付(しるしつけ)も直線、カーブは小衿と袖の丸みだけ。
 標付が直線ですから縫うのも直線。
 地味な作業――!飽きる――!肩こる――!
 でも、着物を仕立て上げた時の感動はキラキラでした☆ただの長―い、長―い布が着物のカタチになった!枚数上げてくごとに奥が深い!深すぎる!和裁を始めて30年、まだまだ勉強中!
 

直線からなる曲線の美

 和裁の勉強と同時進行で着方の勉強も始めたのですが…今まで着せてもらっていたわけで…自分で着るとなると結構大変。
 私の習い始めの頃はまずはウールの着物で練習でした。今はウールの着物見かけなくなりましたよね…。チクチクの感じ、私は苦手でしたが…まぁ確かに着やすかったです。
 手順は覚えたけど、絹のなめらかな着物をそれなりに着られるようになるまでは、失敗の繰り返し。よくある話ですが、帯ができた完成!と思ったら衿がグダグダ…。やっと、絹のなめらかな着物の着方がほめられるようになった頃、所作も少し身に付いてきました。
 ある時、着付の先生に、曲線が美しくなりましたね!と言われました。
え!?と思ったら…お教え下さりました。真っ直ぐな反物から直線裁ちの直線縫い。
 しかし、着用した時の衿ぐりの綺麗な抜き具合による曲線、衿合わせのゆるやかな曲線の胸元、肩の曲線、おはしょり・上前裾の船底のカーブ(流派によりますが)。
 

 

 

 
 「美しいでしょう!直線からなる曲線の美です!」と先生の言葉。
 深い!深すぎる!一生勉強!!
 一緒に曲線の美、感じませんか?
 

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