夏着物「薄物」の装いを解説!帯・小物の基本をマスター@花いち都屋 高橋和子

2022年7月4日

皆さん今日は。札幌市花いち都屋の高橋です。いつも読んで頂いてありがとうございます。

すっかり季節が変わり、札幌も初夏になりました。コロナ禍で2年間中止になっていたお祭りも開催され、街中もにぎわいが戻り、お祭りでの若い方の浴衣姿もチラホラと、7月の末には花火大会も予定されるとの事。すこしづつ行事が元に戻ってきつつあるこの頃を嬉しく思う私です。

 

 

 

夏着物の種類と涼やかな着こなし

 

暑さの増す7月~8月は単衣に仕立てた薄くて透け感のある「薄物」と呼ばれる着物を着ます。長襦袢が透けて見え、見た目にも涼やかです。絽(ろ)や紗(しゃ)・麻・絹・上布(じょうふ)・羅(ら)など、夏は清涼感を演出するのも大事です。肌をみせずに襦袢と着物を合わせていても、見ている方が涼しく見えるようなコーディネートも心がけたいですね。

 

濃い色の着物に襦袢の白い衿がいかにも涼やかに映って効果的です。着物も帯も、濃い色や寒色系で揃えると涼やかに見えます。
そのほかに強い撚りをかけた糸で織られた縮(ちぢみ)の着物(明石縮・結城縮・小千谷<おじや>縮)は、肌触りが良く、わりとアイロンをかけずに着られてもあまりシワは気になりません。夏らしく着られるお着物です。

 

 

夏着物に合わせる帯

 

初夏の帯

初夏から夏場に締める帯は、涼しげにみえる通気性のよい素材を選びましょう。単衣の着物には博多織や、紬などの帯が活躍します。生地の薄いものや、涼しげな色合わせ、6月でしたら紫陽花やあやめ、波の柄など初夏をあらわす文様などステキです。

 

盛夏の帯

羅や紗・絽・麻の帯、張りのある素材に透けた感じが相まって涼感がある装いになります。
カジュアルな場所なら半巾帯を合わせてもいいと思います。色数のあまり多くない、すっきりとしたコーディネートをすると、涼しく見せるポイントになりそうです。
夏を意識したデザインの帯留めを使われるのも楽しいです。

 

初秋の帯

9月に入るとまだ残暑で暑いのですが、季節先取りをあらわす意味で夏の文様はさけ、色は落ち着いた色に、柄は月見やぶどう、秋草など秋らしさを感じさせる文様を選びましょう。体感的にまだ少し暑いでしょうけど、気持ちは秋で装いましょう。

 

 

季節を問わない半巾帯

夏用の半巾帯もありますが、1年中使用出来る半巾帯は袷の着物から単衣、夏着物、浴衣にも使用できて便利です。

 

 

長襦袢

 

絽・紗・麻

単衣と薄物の着物の季節には、基本的に絽や麻、紗の長襦袢でカジュアルからフォーマルまで対応できます。基本、白が無難ですが淡い色でしたら合わせやすいです。汗をかくので、おしゃれ着洗剤で自分で洗っても大丈夫です。特に麻はいいですね。
着物は下着などで温度調整するものなので、5月ぐらいからちょっと汗ばむ期間でも、暑ければ夏用長襦袢を早めに着て、心地よく過ごしたいものです。

 

夏用二部式長襦袢

基本、長襦袢も反物から自分の着物寸法に合わせてお仕立て上げたものの方が、着やすくていいのですが、時間がなくてお仕立てが間に合わなかったりもありますし、そうでなくても1枚はご用意して置くと便利な二部式襦袢もおすすめです。
素材はポリエステルなのでザブザブ洗え、半衿も付いてますので衿付けも心配いりません。夏のフォーマル着物から、絽や麻・紗、ときには浴衣を着物っぽく着用する時にもオールマイティーに使えます。

 

長襦袢については森のブログでも紹介してますから、見てみて下さいね。
夏着物・浴衣の着方・着付けの補正は暑い…@花いち都屋 着付教室講師 森美由紀

 

 

和装小物も夏仕様に

 

夏用半衿

白の絽で、涼やかにカジュアルからフォーマルまで合わせられ絽目の透ける素材感が涼しげですが、夏の色半衿もステキです。素材的には絽目だけではなく、麻や紗、少しザラザラした肌ざわりが気持ちよく涼しげです。夏の文様の柄半衿なども、清涼感をそこなわない様な色合いや柄を選びたいですね。

 

夏帯揚

絽の素材が一般的です。
6月中旬すぎから単衣の着物に夏帯を使用の時には、帯揚げと帯締めは夏物を使います。着物や帯の色目に合わせて透け感のある涼しげな色合いを選びましょう。1枚の帯揚でも半分づつ色合いやデザインが分かれているものが多いと思います。着物の色目に合わせて暑さを感じさせないように工夫しましょう。

 

夏帯締め

帯締めは中には季節を問わずに使えるものもありますが、基本的には夏用に作られたレース組みの帯締めを使用します。夏の装いには色も、白とピンク、水色と白、黄色と若草色とか様々なレース組みのがあります。帯に合わせて爽やかに感じられるものを選びましょう。

 

 

着物を着たくなる夏のイベント

 

今年は、2年間中止だった北海道神宮祭が6月14・15・16日と3日間開催されました。お店でも1階に沢山の浴衣を取り揃え、用意しました。立ち寄られるお客様は、若いお嬢さん方や男性のお客様も多いようでした。普段は着ないけど、お祭りや花火大会、ビアガーデンなど何か特別な日、楽しく過ごしたい日、夏らしい可愛い柄の浴衣を来てお出掛けしたいとか!今年こそ色・柄・カラフルな浴衣姿の方を、沢山目にする事ができる夏になることを願います。

 

コロナ禍になる前には、お祭りや花火大会などの日、お店のまえの通りには浴衣姿の若いお嬢さん方が沢山通りましたが、その浴衣姿ほぼ御自分で着たのではという感じの方も、半巾帯も作り帯を付けている方が多い様でした。おはしょりが長かったり、着丈が短かったり、お世辞にも上手とは言えませんが基本の襟合わせが逆とかでなければ、自分で着られた事に拍手です。

浴衣も着物と同じです。浴衣を着るお嬢さん達は未来の着物好き予備軍になるのではと思っちゃったりしてます。

 

花いち都屋では、浴衣を着られる方にもおすすめの「前結び体験会」を開催中です。基本の二重太鼓はもちろん、ご希望があれば半巾帯の結び方もお教えしていますのでまずはお気軽にご予約いただければと思います。
花いち都屋 前結び体験会のご予約はこちら

 

また、Youtubeで配信しています「花いっちゃんねる」でもお太鼓結びや半巾帯の帯結びの動画がありますので、ぜひご覧ください。スタッフのコーディネートなどもあるので、ご参考にしていただければと思います。動画が気に入ったらチャンネル登録もお願いしますね。
Youtube「花いっちゃんねる」はこちら

 

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