催事レポート 誉田屋源兵衛~奇跡の帯展~@花いち都屋着付講師 五十嵐桂子

2022年10月17日

 こんにちは、いつも花いち都屋のブログをご覧くださいまして、有難うございます。今回は、私、13回目の投稿になります。前回は8月15日で「秋なのに、夏日と真夏日、そんな日でも涼しい顔して「キモノ」」を投稿させて頂きました。

 

 数日前には大雪山系の旭岳で初冠雪になり、その後に富士山の初冠雪のニュースがテレビで放映されました。台風14号が通り過ぎた後でも、札幌は10月1日が29度、10月2日が24度と私の体感はまだまだ夏!なので、着物は単衣で、帯・帯締め・帯揚は袷用。でも、まだ二部式の夏用の長襦袢を着用しています。日中の気温が20度以下になると、普通に「長襦袢」を着用の行動になると思われます。

 

 北海道の日中の気温としてはの様ですが、朝晩の涼しさは、やはり。秋というと、読書の秋、食欲の秋、芸術の秋といろいろありますが、「花いち都屋」としての芸術の秋をお知らせしましょう。

 

 

誉田屋源兵衛~奇跡の帯展~

 

10月1日(土)・10月2日(日)・10月3日(月)の3日間は個展開催でした。
花いち都屋では11年振りの開催
誉田屋源兵衛~奇跡の帯展~です。
惜しくも、ご覧になれなかった方の為に、私が触れた内容と感動をお伝えしますね。

 

11年前は、狸小路2丁目の旧店舗にて、会場を暗幕で黒くしての展示で、私としては、初めて経験する雰囲気でした。一方、今回は、明るい店舗のサロンにて、NHK・BS「たけしのアート☆ビート 帯に魂を吹き込む男」に出演された誉田屋源兵衛(十代目当主山口源兵衛)のビデオを流して見て頂き、Aホールにて作品の展示を見て頂くという流れです。

 

京都の帯の織元(誉田屋源兵衛)は、創業元文年間と言われてもピンとこないけれど、江戸時代(八代将軍・吉宗の頃)に創業され280年の歴史ある老舗。京都の室町にある社屋も築100年(宮大工の手によって建築)というからすごいですね!

 

 

支持されたのは、誉田屋源兵衛の芯「家訓」

 

280年もの長きに渡って人々に支持されたのは、
【家訓】計りて作らず、本物は残りて候
(儲けを考えていては良いものは作れない。本物はいつの時代でも価値が高く、継承される)

 

又、山口源兵衛さんの言葉にも帯は魂を結ぶもの(帯は御神体)とあります。
私自身、昨年か一昨年にテレビで誉田屋源兵衛さんが「那智の滝」だったかなと思いますが、滝の流れが納得いくまで、何回でも、何本でも織り直す、ドキュメントを見ました。息をのむ程の迫力でした!

 

10人ほどいる、熟練した職人たちの上にたつ、ビッグボス。プロデュースはするが、図案を書いたり、織りはせず、言葉で、心で、相手に訴える。

 

 

帯なのか、アートなのか

 「婦人画報」に、よく、特集として掲載されますが、実際の帯(作品)を許可を頂いて写真に撮らせて頂きましたので、ご覧ください。

 

蜻蛉(とんぼ)


秋に目にする昆虫ですが帯とか着物の柄になると、本来は秋の柄ではなく<勝ち虫>として季節は問わない。「前進のみで、決して退かない」ことからそう呼ばれ、戦国武将が好んだ柄である。
帯のトンボは、オパールや螺鈿を使用し、本物の投げ網も織り込んで、「網破りのトンボ」になっている。

 

跳鯉(ちょうり)


ボストン美術館所蔵の水墨画から着装した帯。飛び跳ねた鯉と下を泳いでいる鯉の目線があっている。それは、親子なのか、夫婦なのか、兄弟なのか、恋するもの同士なのか?…。

 

赤糸威し(あかいとおどし)の大鎧


国宝に指定されている、源義経の鎧が題材。

 

破れ扇


徳川11代将軍・家斉の陣羽織の背中に配した柄。家斉の頃は、戦はなかったが、この柄を教訓にしていたようです。戦いの時に指揮を取る大将が手にする扇。ボロボロになっているが、骨組み要(かなめ)はまだしっかりしている。張り替えれば、まだまだ戦える→ネバーギブアップの精神を説いた。

 

屋号の誉の暖簾(のれん)

 

源頼朝の束帯

 

以上ですが、「異端の人」と言われている誉田屋源兵衛(十代目当主・山口源兵衛)の作品を通して、私達も、一つでも二つでも本物を目指して学んでいかなければと思っています。

 

良いものを観て、「きもの美人」目指して自分で着物を着られるように、楽しみながらがんばりましょう!

 

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