2025年5月5日

こんにちは。今日は「色無地(いろむじ)」という着物のお話をしようと思います。

まだ着物にあまり慣れていない方には、ちょっと耳慣れない言葉かもしれませんね。でも、この色無地って着物は、とっても便利で、着物を始めるなら一枚は持っておきたい着物なんですよ。

「色無地(いろむじ)」ってどんな着物?

色無地とは、その名の通り「一色だけで染められた無地の着物」のことを言います。柄が入っていないのでとてもすっきりとした印象で、色によっても雰囲気がガラッと変わります。

この色無地、実はとても「使い勝手の良い」着物なんです。というのも、「紋(もん)」が付いているか、付いていないかで、着ていける場所やシーンがガラリと変わるんですね。

紋(もん)なしの色無地はカジュアルに

紋が付いていない色無地は、ちょっとしたお出かけや、お友達とのランチ会、お茶のお稽古などの「普段着寄りの装い」にぴったり。帯や小物で遊び心をプラスすれば、自分らしさも出しやすいですし、何より着ていて気が楽なんです。

「着物ってハードル高そう」と思っている方にも、この紋なしの色無地なら入りやすいですよ。

紋(もん)ありの色無地は礼装に

一方で、色無地に「一つ紋(ひとつもん)」を入れると、格がぐっと上がって、「準礼装(じゅんれいそう)」として着ることができます。

たとえば、親しい方の結婚式や、子どもの入学式・卒業式、ちょっと改まった会食など。訪問着(ほうもんぎ)や付け下げ(つけさげ)ほど華やかではないけれど、きちんと感を出したいときにちょうどいいんです。

ちなみに、紋は「染め抜き日向紋(そめぬきひなたもん)」が正式とされ、格が高いです。でも、最近では「縫い紋(ぬいもん)」という刺繍で入れる方法もあり、少しカジュアルダウンできますよ。

色無地は、一枚で何通りも楽しめます

つまり、同じ「色無地」という着物でも、紋があるかないか、合わせる帯や小物によって、カジュアルにもフォーマルにも使えるというわけです。

これって洋服でいうと、ちょっと上質なワンピースみたいな存在かもしれません。小物でドレッシーにも、ナチュラルにもできるように、色無地もその日の気分やシーンに合わせてコーディネートができるんです。

祝いの席、悲しみの席の地紋(じもん)の見分け方

さて、次にちょっと踏み込んだお話になりますが、「地紋(じもん)」についても知っておくと、もっと着物を楽しめるようになりますよ。

地紋(じもん)って何?

地紋とは、着物の生地そのものに織り込まれた模様のことです。見た目は無地なんですが、光の加減で模様が浮かび上がってくる、ちょっと奥ゆかしい美しさがあるんです。

この地紋があると、より上品で華やかに見えますし、着物としての格も上がります。おしゃれさんは、地紋の模様で季節感を演出したり、場にふさわしい雰囲気を出したりするんですよ。

お祝いの席にふさわしい地紋

たとえば、吉祥文様(きっしょうもんよう)と呼ばれる縁起の良い柄は、お祝いの席にぴったりです。

  • 鶴(つる):長寿の象徴。結婚式などに好まれます。
  • 亀甲(きっこう):亀の甲羅の形をした柄で、やはり長寿や繁栄を意味します。
  • 松竹梅(しょうちくばい):おめでたい三つ組み合わせ。新年や祝いの席でよく見かけます。
  • 宝尽くし(たからづくし):昔からの縁起物をたくさん描いた柄。華やかで、お祝いムード満点です。

こういった柄が地紋として入っている色無地は、結婚式や七五三、成人式など、お祝いの場にぴったりです。

弔事(ちょうじ)に向く地紋は?

一方で、地紋の種類によっては、弔事、つまりお葬式や法事などの場でも着られる色無地があります。

たとえば、

  • 流水(りゅうすい)
  • 雲取り(くもどり)
  • 無地感に近い小さな紋様

こういった柄は、派手すぎず、落ち着いた印象を与えます。色も控えめなグレー、藍色、紫など、しっとりとした色合いを選ぶことで、弔事にもふさわしい装いになります。

両方に使える便利な柄も

そして、実は「祝いの席にも、悲しみの席にも」両方に使える便利な柄もあるんです。

たとえば、

  • 立涌(たてわく)
  • 青海波(せいがいは)
  • 紗綾形(さやがた)

こうした柄は、特定の意味を持たず、どちらの場面でも失礼にあたらないとされています。もし「一枚の色無地で幅広く使いたい」と思っている方は、こういった地紋の反物(たんもの)を選ぶと良いですよ。

おわりに

いかがでしたか?

色無地は、柄がないからこそコーディネート次第で何通りもの着こなしができる、まさに着物の万能選手です。紋の有無でカジュアルにもフォーマルにも使えますし、地紋によって着る場も広がります。

これから着物を始めようという方には、最初の一枚としてとってもおすすめです。もし反物から選ぶことに少し不安があるようなら、お店の人に「紋は入れるべき?」「どんな地紋がいい?」と気軽に聞いてみてくださいね。

着物の世界は奥深いですが、一歩踏み出してみると、自分だけの楽しみ方がきっと見つかります。少しずつ、ご自分のペースで楽しんでいきましょう。

それでは、また♪

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