こんにちは。
「着物、ちょっと気になるな」「一度は着てみたいけれど、何から始めたらいいのか分からなくて…」
そんなお気持ちを胸に、このページを開いてくださったのではないでしょうか。
着物を始めたいと思うきっかけは、本当にさまざまです。
・お母様やお祖母様の箪笥(たんす)に眠っている着物を、もう一度活かしてみたい
・茶道(さどう)や華道(かどう)などのお稽古事を始めることになった
・雑誌やSNS、街で見かけた着物姿に心を奪われた
・海外の方との交流や、日本文化を見つめ直す機会があった
理由は違っても、「着物を着てみたい」と思う気持ちは、どれもとても自然で素敵なものです。
その一方で、こんなお声も本当によく耳にします。
「着物って、決まり事が多くて難しそう」
「間違えたら恥ずかしい思いをしそうで不安」
「何を揃えればいいのか、誰に聞けばいいのか分からない」
大丈夫ですよ。
最初から完璧に分かっている方なんて、ほとんどいらっしゃいません。
着物は、少しずつ知って、少しずつ慣れていくもの。
このブログでは、「これから着物をはじめる方」が安心して一歩を踏み出せるよう、基本を丁寧に、そしてできるだけやさしい言葉でお伝えしていきます。
着物は「難しいもの」ではありません
着物の世界には、確かに洋服とは違う考え方や約束事があります。
けれど実際には、そのすべてを覚えなければ着られない、ということはありません。
たとえば、
・誰と、どこへ行くのか
・どんな場面で着るのか
この二つが分かっていれば、選び方はぐっとシンプルになります。
大切なのは、「今の自分に必要なこと」を知ること。
最低限のポイントさえ押さえておけば、必要以上に神経質にならず、着物はもっと身近な存在になります。
「ちょっと相談してみようかな」
そう思っていただけることが、何よりの第一歩です。
まず知っておきたい、着物の「格(かく)」
着物には、着ていく場面によってふさわしい種類があります。
これは洋服で言えば、フォーマルなドレスと普段着の違いと同じです。
フォーマル・礼装(れいそう)の着物

留袖(とめそで)
帯の下、裾(すそ)部分のみに柄が入り、五つ紋(いつつもん)を付けると既婚女性の第一礼装(だいいちれいそう)となります。
主に結婚式で、新郎新婦のお母様やご親族が着用されます。
訪問着(ほうもんぎ)
肩から袖、裾にかけて、縫い目をまたいで柄がつながる「絵羽模様(えばもよう)」が特徴です。
結婚式や式典、お祝いのお席など、幅広い場面で活躍する一枚です。
振袖(ふりそで)
袖丈(そでたけ)が長く、華やかな柄付けが魅力の着物です。
未婚女性の第一礼装として、成人式や結婚式などで着用されます。
附下(つけさげ)
柄の向きがすべて上向きになるように染めや刺繍(ししゅう)が施されています。
訪問着より控えめで、少し改まったお出掛けに使いやすい着物です。
普段着として楽しめる着物
小紋(こもん)
全体に同じ調子の模様が繰り返し染められた着物です。
街歩きやお食事、観劇など、気軽なお出掛けに向いています。

御召(おめし)
先染め(さきぞめ)された糸で織られ、独特のシャリ感があります。
きちんと感と着心地の良さを兼ね備えています。
紬(つむぎ)
真綿糸(まわたいと)などを用い、糸の段階で染めてから織られる着物です。
温かみがあり、旅行や日常のお出掛けにもぴったりです。
外出のときに羽織るもの
羽織(はおり)
着物の上に重ねる、ジャケットのような存在です。
室内でも脱がずに着られるのが特徴です。
和装コート(わそうこーと)
防寒や塵除け(ちりよけ)のために着用します。
道行(みちゆき)コートや道中着(どうちゅうぎ)など、形にも種類があります。
帯の種類を知ると、コーディネートが楽しくなります
帯は、着物姿の印象を大きく左右する大切な存在です。
袋帯(ふくろおび)
袋状に織られた帯で、二重太鼓(にじゅうだいこ)に結びます。
フォーマルな場面で使用されます。
名古屋帯(なごやおび)
一重太鼓(ひとえだいこ)に結ぶ帯で、普段からお出掛けまで幅広く使えます。
八寸名古屋帯(はっすんなごやおび)
芯(しん)が入らない、カジュアルな名古屋帯です。
軽くて締めやすいのが特徴です。
半巾帯(はんはばおび)
幅が約15cmの帯で、浴衣(ゆかた)やカジュアルな装いに合わせます。
着付に必要なもの、まずはここから
「全部揃えなければいけませんか?」と聞かれることがありますが、
最初から完璧に揃える必要はありません。
基本の着付小物
ここでは、これから着物を始める方に、まず知っておいていただきたい基本の着付小物をひとつずつご紹介します。
「名前は聞いたことがあるけれど、何に使うの?」という疑問が多いところでもありますので、役割と一緒に見ていきましょう。
長襦袢(ながじゅばん)
着物のすぐ下に着る。
半衿(はんえり)を付けることで、着物の衿汚れを防ぎ、衿元を美しく見せる役割があります。
半衿(はんえり)
長襦袢の衿に縫い付ける細長い衿です。
汗や皮脂汚れから着物を守り、顔まわりの印象を左右する大切なポイントでもあります。
肌襦袢(はだじゅばん)
直接肌に触れる下着で、汗を吸い、長襦袢の汚れを防ぎます。
裾よけ(すそよけ)
腰から下に身に着け、裾さばきを良くし、下半身の透けや汚れを防ぎます。
※肌襦袢と裾よけが一体になった「きものスリップ」を使っても問題ありません。
足袋(たび)
和装用の靴下です。
木綿、麻、ストレッチ素材などがあり、季節や用途に合わせて選びます。
腰紐(こしひも)
着付の要(かなめ)となる紐です。
着物用・長襦袢用として、3本以上あると安心です。
帯板(おびいた)
帯の前部分を平らに整え、しわを防ぐための小物です。
帯枕(おびまくら)
お太鼓(おたいこ)の形を作るために使います。
帯結びを立体的に、美しく見せてくれます。
帯揚(おびあげ)
帯枕を包み、固定するための長方形の布です。
ちらりと見える部分が、着姿のアクセントにもなります。
帯締め(おびじめ)
帯の中央を締め、形を安定させる紐状の小物です。
色や組み方で、装いの印象が変わります。
衿芯(えりしん)
長襦袢の衿に入れて、衿元をすっきりと整えます。
「相談しながら始める」着物という選択
着物は、誰かと比べて競うものではありません。
ご自身のペースで、ご自身の暮らしに合った楽しみ方がいちばんです。
・お母様の着物を活かしたい
・サイズが合うか不安
・場面に合っているか確認したい
どんな小さなことでも大丈夫です。
「こんなこと聞いていいのかな?」と思うことほど、実はみなさん同じように悩まれています。
最後に 〜着物LIFEのはじまり〜
今の暮らしの中で、着物を着る機会は決して多くありません。
だからこそ、「着てみたい」と思ったその気持ちは、とても大切なものです。
たった一枚の着物や帯との出会いが、これからの人生を少し豊かにしてくれることもあります。
着付も、最初から完璧でなくて大丈夫。
小さな失敗も、いずれ楽しい思い出になります。
これから始まる、あなたの着物LIFE。
どうぞ、無理なく、楽しく、長く続けてくださいね。
いつでも、気軽にご相談ください。
一緒に、着物のある毎日を楽しんでいきましょう。
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