着物を着始めると、意外と悩むのが「コートの長さ」。
羽織は分かるけど、道行は?雨コートは?
その中でも「10分丈コート」は、気になるけど、ちょっとハードルが高そう……。
そんな存在かもしれません。
でも実は、10分丈コートってとても実用的で、しかも今の時代だからこそおしゃれに楽し
めるアイテムなんです。
そもそも10分丈って?
10分丈とは、着た時に着物の裾までしっかり隠れる長さのこと。
歩いても着物の裾が出にくく、風・雨・寒さから着物全体を守ってくれます。
「10分丈コート」と聞くと、
○つやのある撥水生地の雨コート
○ビロードなど、ずっしりした冬のコート
を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
確かに昔は、そのイメージがとても強かったと思います。
前回、防寒草履について書いた時に、雪国のお話が中心になってしまいましたが……。
今回もやはり、「雪は降らなくても、とにかく冬は寒い!」という地域のお話になりそうです(笑)
とはいえ、10分丈コートの考え方自体は、どの地域でも参考になると思います。
雨コートは「雨の日専用」じゃない

「雨コート」という名前から、
「雨の日しか着ちゃいけないもの」
と思われがちですが、実はそうではありません。
本州では晩秋から冬にかけて、
東北地方では晩秋や雪解けの春先など、
地域や気候によって着用時期はさまざま。
風が冷たい日、
路面が濡れている日、
裾汚れが気になる日。
そんな時に、着物を丸ごと守ってくれるのが10分丈コートです。
「今日は天気がちょっと心配だな…」という日にも、心強い存在ですね。
今は素材も自由になりました
平成・令和の着物ライフを楽しんでいる方たちは、
10分丈コートをとても自由に取り入れています。
ひと昔前までは
○つやのある雨コート生地
○冬のビロード
が定番でしたが、
今は、着尺に撥水加工(ガード加工)をして、コートとして仕立てる
という選択をされる方も増えています。
「コートはコート用じゃないといけない」
そんな決まりは、もうありません。
色や柄を楽しんだり、
着物とのコーディネートを考えたり。
10分丈コートも、立派な“おしゃれアイテム”のひとつです。
夏素材で10分丈、という粋
正直なところ、昔ながらの雨コートは
今の気候だと「夏の雨の日は暑くて無理…」と感じることもありますよね。
そんな時におすすめなのが、
夏お召や駒紗にガード加工をして、10分丈コートに仕立てる方法です。
見た目は軽やか、着心地も涼しく、
それでいて雨から着物を守ってくれます。
「分かってる人の選択」感があって、個人的にもとても好きな着方です。

着尺で仕立てる10分丈コート
秋冬になると、足首の冷えが気になってきます。
そんな時こそ、10分丈コートの出番。
少し厚手で、少し重みのある着尺で仕立てると、
着た時の落ち感がきれいで、とても上品な印象になります。
雪の降る地域はもちろん、
春先の雨や、歩いた時の水跳ね対策にも◎。
春色の、やや薄手の生地で仕立てた10分丈コートも素敵です。
「防寒」だけでなく、「季節を楽しむ」コートになります。
衿の形でも遊べます
以前は、コートの衿といえば道行衿がほとんどでした。
昔のコート用反物(羽尺)は長さが限られていて、仕立てられる形も自然と決まっていたのだと思います。
今は反物の長さも十分にあるものが多く、
10分丈でも
○道行衿
○きもの衿
○千代田衿
など、衿の形を選べるようになりました。
衿が変わるだけで、
きちんとした印象にも、やわらかい印象にもなります。
コートも「防寒具」ではなく、
着物姿を完成させる大切な一部として楽しみたいですね。
春夏秋冬、
10分丈コートを味方につけて、
自分らしい着物のおしゃれを楽しんでみてください。
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