趣味の着物
2026年6月29日

キモノ好きには少しつらい季節が近づいてきました。


北は北海道から南は沖縄まで、日本の夏は年々暑さが厳しくなっています。


「夏に着物なんて暑そう……。」


そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。


ですが実際には、夏用の着物は風通しを考えて作られているため、「思っていたより快適だった」という声も少なくありません。


近年は織り方や素材の研究も進み、昔に比べて軽く涼しく着られる夏着物が増えています。

適切な素材を選べば、暑い季節でも意外と心地よく過ごすことができます。


ただし、夏だからといって何も羽織らずに外出して良いというわけではありません。


今回は、夏の着物に合わせる羽織物についてご紹介します。


「夏でも羽織って必要なの?」
「どんな素材を選べばいいの?」


そんな疑問をお持ちの初心者さんにも分かりやすくお話ししていきます。

夏でも帯付き姿(おびつきすがた)は避けるのが基本


着物を着始めたばかりの方は、「帯付き姿」という言葉を聞いたことがないかもしれません。

帯付き姿とは、
着物に帯だけを締め、羽織やコートなどの羽織物を身に着けていない姿
のことをいいます。


洋服感覚で考えると、「暑いから上着を脱ぐ」というのは自然なことですよね。


しかし着物には昔からの装いの考え方があり、外出時は羽織物を着用するのが正式とされてきました。


もちろん現在では地域やシーンによって考え方も少しずつ変わってきています。


カジュアルなお出掛けでは帯付き姿を見かけることもありますが、きちんとした席や着物好きが集まる場では、今でも羽織物を合わせる方が多い印象です。


「絶対にダメ」というものではありませんが、迷った時は羽織物を一枚持っておくと安心ですね。

夏の羽織物にはどんな種類があるの?


「夏の羽織物」と聞くと、種類が少ないように思われるかもしれません。


実は夏にもさまざまな素材があり、それぞれ着用する時期が異なります。

7月・8月の盛夏(せいか)におすすめ

  • 紗(しゃ)
  • 絽(ろ)


どちらも透け感があり、見た目にも涼しさを感じさせてくれる代表的な夏素材です。
風を通しやすく、夏着物との相性も抜群です。

単衣(ひとえ)の時期から夏まで長く使える素材

  • 紋紗(もんしゃ)
  • 夏御召(なつおめし)
  • オーガンジー


最近特に人気が高まっているのがオーガンジーです。


軽くて透け感が美しく、レースのような上品さがあるため、幅広い年代の女性に人気があります。


近年、お店でもオーガンジーの羽織やコートを見かける機会が増えました。

コートでも羽織でも、自分の好みで楽しめます


「夏はコートじゃないといけない?」
「羽織でもいいの?」


という質問もよくいただきます。


私自身は、
コートでも羽織でも、お好みで楽しんで良い
と思っています。


例えば、
透け感のある紗の道行(みちゆき)コートや道中着(どうちゅうぎ)は、とても上品で涼しげ。


一方で、
紋紗や夏御召の羽織は、粋(いき)な雰囲気もあり、大人のおしゃれを楽しめます。


素材やデザインが違うだけで印象も大きく変わるので、その日の気分やお出掛け先に合わせて選ぶ時間も着物の楽しみのひとつですね。

一枚選ぶならオーガンジーがおすすめ


とはいえ、
「何枚も作るのは予算的に難しい……。」
という方も多いでしょう。


羽織やコートは、お仕立てにも費用がかかります。


だからこそ、一枚目は長く使える素材を選ぶのがおすすめです。


その中でも私が特におすすめしたいのがオーガンジー。
オーガンジーは、

  • 単衣の季節から盛夏まで着られる
  • とても軽い
  • 透け感が美しい
  • コーディネートしやすい


という魅力があります。


紋紗や夏御召に比べても軽やかで、見た目にも爽やかな印象になります。


最近人気が高まっている理由も納得ですね。


初めて夏の羽織物を選ぶ方にもおすすめしたい素材です。

最近増えている「女性の陣羽織(じんばおり)」

ここ数年、おしゃれな着物イベントなどで見かけることが増えたのが、
女性の陣羽織です。


陣羽織と聞くと、戦国武将が着ていた姿を思い浮かべる方も多いでしょう。


現在では男性の着物愛好家の方が、おしゃれな陣羽織を楽しんでいる姿もよく見かけます。


後ろにスリットを入れたり、衿の形を変えたり。


それぞれ工夫を凝らした着こなしは、とても格好良く、着物ならではの楽しみ方を感じます。


その流れから最近では、女性向けにアレンジされた陣羽織も少しずつ増えてきました。

女性らしく着こなすためのポイント


女性が陣羽織を着る場合は、素材選びがとても大切です。


張りの強い素材を選ぶと肩が角張り、裃(かみしも)のような印象になってしまいます。


そのため、
柔らかく落ち感のある素材を選ぶと、女性らしい優しい雰囲気になります。


また、

  • 肩から自然なカーブで袖を少し付ける
  • スリットを入れて軽やかさを演出する
  • スリット部分を編み上げデザインにする
  • 衿の形に変化を付ける

など、自分らしいデザインを取り入れるのも素敵です。


既製品にはない、自分だけの一枚を作れるのも陣羽織ならではの魅力ですね。

夏だからこそ、羽織のおしゃれを楽しみましょう


暑い夏は、どうしても「少しでも涼しく」と考えてしまいます。

ですが、羽織物は暑さを我慢するためだけのものではありません。


透け感のある素材を選べば見た目にも涼しく、おしゃれのアクセントにもなります。


また、冷房の効いた室内では意外と重宝することもあります。

夏の着物は素材もデザインも年々進化しています。


「夏だから着物は無理」と思わず、ぜひ季節ならではのおしゃれを楽しんでみてください。


ちなみに私は今年、女性らしく着られる陣羽織を一枚作ってみようかな、と考えています。


完成したら、どんなコーディネートが楽しめるのか今からワクワクしています。


皆さんもぜひ、お気に入りの夏羽織を見つけて、この夏の着物ライフをもっと快適に、もっと素敵に楽しんでくださいね。

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