お祝いの場のフォーマル着物とは?基本ルールと紋について@花いち都屋 高橋和子

2022年10月31日

皆さん今日は、花いち都屋高橋和子です。いつもブログを読んで頂いて感謝申し上げます。皆さんの住まいの気温は何度ぐらいありますか?北海道はすっかり寒くなりましたよ!10月の始頃迄は、気温も高くて単衣でもいいかしらという感じでしたが、今はしっかり袷の着物を心地よく着ている所存です。

 

 まだ、コロナ禍とは言え、そろそろ結婚式・披露宴を挙げるので、留袖を着用したい、訪問着を着る事にしますとか、そんなお客様が少しづつ多くなってきてる様です。今日はフォーマルな場所に着用するお着物の決まり事など、お話ししたいと思います。

 

 

フォーマルな着物はどんなシーンで着るの?

 

 フォーマルなシーンとは、基本的には結婚式や入学式など「式」と名のつく、人が集まる場のことを言います。また、七五三や成人などの通過儀礼もそれに当たります。大きく分けると2種類あり、人生の節目などをお祝いする喜びのシーンと、お葬式などの悲しみのシーンに分類できます。

 

喜びのシーンのフォーマルな着物の種類には、黒留袖・色留袖・訪問着・色無地・江戸小紋・付け下げ・吉祥文様の小紋など。訪問着などは、セミフォーマルな場…パーティーや年始のあいさつなど、礼を尽くした装いがふさわしい場とに着用します。帯の合わせ方や小物の組み合わせ、紋の数などでもその格が変わってきます。

 

 

黒留袖とは

 

結婚式で親族が着る、既婚女性の礼装です。柄としては季節の草花文様に金箔をほどこし、向い鶴の柄など、晴れの日の喜びを表現した柄が特徴です。

 留袖の語源には、結婚を機にそれまで着ていた振袖の振りを短く留めた事に由来して婚家にも長く留まる様にという願いが込められています。裾周りにのみ文様がある着物を式服とする習慣が民間で広まったことから、留袖が既婚女性の礼服になったとされています。

 

 

 

留袖の紋とは

 

 留袖には、必ず紋を入れます。留袖の場合は染め抜き日向五つ紋を入れます。紋は入れる位置と数が決まっています。留袖五つ入ります。最初に背縫いに背紋を入れると、一つ紋になります。次に両後袖に袖紋を入れます。これで三つ紋になります。次に両胸に抜き紋を入れると五つ紋となります。

 紋は「家紋」になりますので、自らの家紋を入れても良いのですが、近年婚家の紋を入れる事も多くなっております。

 

 

 

色留袖とは

 

 黒ではない留袖?裾周りにのみ絵羽模様が広がる色留袖は、未婚・既婚問わず着られます。五つ紋を入れて、比翼仕立てにすると、黒留袖と同格の装いで礼装にもなりますが、最近では五つ紋にしないで、三つ紋や一つ紋にして、準礼装としての着用も多くなってます。その場合は比翼仕立てにはしないで、伊達衿にしておしゃれ感を出してたのしむことも出来ます。

五つ紋で装う場合には帯や小物は黒留袖に準じますが、セミフォーマルとして装うなら白でなく、淡い色合いの小物を合わせると品よくおしゃれ感が出ます。

 

 

黒留袖に合わせる帯揚・帯締め

 

 帯は、金地・銀地・錦織いずれも袋帯を合わせますが、帯揚・帯締めは綸子の白または白地に金銀が入ったものを。

 

 

末広(祝儀扇)

 

 少し小さめな礼装用の扇子を末広といいます。帯の左脇に挿す黒留袖の場合は、黒骨を。

 

 

訪問着とは

 

 華やかな品格と、広げると一枚の絵のように柄を合わせた訪問着は、留袖の次に格があります。留袖や色留袖は礼装に属しますが、訪問着は準礼装として着用出来ます。白生地を一度仕立ててから模様の位置を決め、染めの加工をほどこします。縫い目をつないで模様が広がり、「絵羽模様」になるのが特徴です。

 

 結婚式など改まった場所では、四季の花や古典文様の柄など帯も重厚感のある、袋帯を合わせて白や金銀の小物を合わせると格調高く装えます。
 パーティーなどでは、華やかに色づかいをほどこして刺繍の半衿や、パール系の帯留など合わせてもステキです。訪問着は、一般的には紋は入れないです。

 

 

寸法(サイズ)があわない着物は、フォーマルな場には不向きですか?

 

御相手や同席者に礼を尽くす場所なので、着たときにはっきりサイズが合わないのが分かる程の感じであればおすすめは出来ません。カジュアルな街着のお着物でしたら、手首のくるぶしが多少出ていても失礼ではないのですが、裄も短く、着丈も短いのはフォーマルな場では上品ではありません。サイズがあっていないことが気になると、動作も不自然になってしまいますので、ちょっと不向きかもしれません。

 

 

留袖はレンタルでも!?

 

 今はレンタルショップでも、ホテルでもレンタルで借りることも出来ます。御自分の寸法に近い物を選ぶこと。紋は女性紋の「丑三の桐」という紋がついている留袖が多いですが、お店の許可があれば「貼り紋」という切り付け紋があります。その場合、自分の家紋を貼り付ける事も出来ます。

 

花いち都屋でも、留袖・訪問着のレンタルを行っていますのでご希望の方はお問合せページよりご連絡ください。
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こういう場面・立場ではどんなフォーマル着物を選べばよいの?というご相談もお気軽に花いち都屋札幌本店スタッフめでお問合せ下さいね。呉服の専門スタッフがお答えいたします。

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