趣味の着物
2025年12月9日

「冬の着物は寒そう」
着物に興味を持ち始めた方から、よく聞く言葉です。
確かに、洋服と比べると「足元の防寒」はイメージしづらく、不安に感じやすい部分かもしれません。特に、雪が降る地域ではなおさらですよね。

ですが実は、冬の着物こそ、履物と足元の工夫次第で驚くほど快適に過ごすことができます。
私自身、北海道という雪国で長年着物生活をしてきましたが、季節や天候に合わせて履物を選ぶようになってからは、「寒いし、雪降ったから着物は無理」と感じることは、ほとんどなくなりました。

今回は、雪の降る地域を前提に、
・冬に使える履物の種類
・それぞれの特徴と使い分け
・足元の冷えや濡れを防ぐ工夫
について、着物初心者の方にも分かりやすくお話ししていきます。

冬の履物は「地域」と「時期」で考える


ひと口に「冬」と言っても、日本は南北に長く、同じ12月でも北海道と沖縄では気温も環境もまったく違います。

着物は季節感を大切にする装いですが、それは履物も同じです。
その土地の気候、雪の有無、路面の状態によって、適した履物は変わります。
私は北海道に住んでいますので、ここからは雪の降る地域限定のお話になりますが、
「雪国では、こんな工夫をして着物を楽しんでいるんだな」
と、ひとつの参考として読んでいただけたら嬉しいです。

雨草履(あまぞうり)・しぐれ履き


一般的に、雨の日用の履物として知られているのが
雨草履(あまぞうり) や しぐれ履き です。
「雨の日専用」というイメージが強いかもしれませんが、雪国では晩秋から初冬、そして雪解けの時期 に大活躍します。

晩秋・初冬の冷え対策として


晩秋から初冬にかけては、雨がみぞれに変わることも多く、足先や足の甲がとても冷えます。
この時期、雨草履についているカバーがあるだけで、冷え方がずいぶん違うんです。
完全に防寒できるわけではありませんが、
・直接風にさらされない
・雨やみぞれが足袋(たび)に染み込まない
この差は大きく、体感温度がかなり和らぎます。

初冬・雪解け時期の「びちゃびちゃ問題」


初冬は、
雪が降る
→ 少し積もる
→ 溶ける
→ びちゃびちゃ
この繰り返しです。

本格的に圧雪(あっせつ)になるまでは、道路状況がとても不安定で、足元が濡れやすくなります。
また、3月〜4月の雪解け時期も要注意です。
気温は少しずつ上がってきますが、水分を多く含んだ雪は溶けやすく、道は常に湿った状態になります。
さらに、朝晩に冷え込むと、うっすら氷が張り、とても滑りやすくなるのです。

裏が生ゴムの雨草履がおすすめ


そんな時に、
「ああ、これがあって本当に良かった!」
と、毎回実感するのが、裏が生ゴムになっている雨草履です。
滑りにくく、濡れた路面でも安心感があります。見た目は上品でも実用性が高く、雪国では本当に頼れる存在です。

雨草履

「雨草履=雨の日だけ」ではなく、
雪国の秋冬には欠かせない履物として考えてみてください。


都屋には、雪国の冬がちょっと楽しみになるような、
機能性と美しさを兼ね備えた雨草履が揃っています。

防寒草履(ぼうかんぞうり)は雪国の必需品


道路が完全に圧雪(あっせつ)状態になると、いよいよ
防寒草履(ぼうかんぞうり) の出番です。
防寒草履は、雪の降る地域で着物生活をしている方にとって、なくてはならない存在です。
正直に言って、「これがないと冬の着物は成り立たない」と感じるほどです。

防寒草履が少なくなっている現状


ただ、とても残念なことに、防寒草履は限定地域の履物であるため生産数が少なく、
さらに職人さんの高齢化・減少によって、年々手に入りにくくなっています。
「この履物が、将来なくなってしまうのでは…」
と感じることもあり、雪国で着物を愛する者としては、心配でなりません。

どうか、防寒草履の魅力がもっと広まり、
雪の降る地域で着物を楽しむ方が増え、
その需要が職人さんを支える力になることを願っています。

防寒草履は意外とおしゃれ


防寒草履というと、
「実用一辺倒」
「おしゃれとは無縁」
そんなイメージを持たれがちですが、実際にはさまざまなデザインがあります。
色、素材、鼻緒(はなお)の組み合わせによって印象が変わり、
気がつくとコレクション化してしまうほどです。

「おしゃれは足元から」
この言葉は、着物でも変わりません。

白い防寒草履

補足:ブーツという選択肢

基本的には防寒草履をおすすめしたいところですが、
正直に言うと、雪が深く積もった日はブーツに頼ることもあります。
かかとや足首までしっかり覆ってくれるので、雪の侵入を防ぎ、安心感があります。

また最近では、
「着物 × ブーツ」
というコーディネートも、ひとつのファッションとして定着してきました。
無理に「草履でなければ」と思わず、
その日の天候と安全を最優先に考えることも、長く着物を楽しむための大切な考え方です。

足元の防寒と保護を忘れずに


履物で雨や雪に対応できても、足元は足袋(たび)だけだと、どうしても無防備になります。

足袋カバーの活用

雨の跳ね返しや、みぞれ、濡れた路面対策には、
足袋カバーがとても便利です。

最近は、
・ストレッチ素材
・デザイン性の高いもの
など、おしゃれなタイプも増えています。

室内での冷え対策


真冬の昼間でも、外気温がマイナスになることは珍しくありません。
屋内は暖房が効いていても、床付近は意外と冷えています。

そんな時におすすめなのが、
内側がネル素材になっている足袋です。

さらに、足袋インナーとして使える商品も、さまざまな種類が出ています。
薄手のもの、しっかり温かいものなど、
ご自身の冷え方や好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
「いろいろあって悩むけれど、試してみるのも楽しい」
それも、着物生活の醍醐味のひとつです。

冬の足元が整うと、着物はもっと楽しくなる


冬の着物は、
「寒そう」
「大変そう」
と思われがちですが、実は工夫のしがいがある季節です。

履物と足元の防寒をきちんと整えることで、
安心して外出でき、着物の時間がぐっと楽しくなります。

これから着物を始めたい方、
冬の装いに少し不安を感じている方も、
ぜひご自身の環境に合った方法を見つけてみてください。
足元が整えば、冬の着物は、きっと心強い味方になります。

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